【7月12日 AFP】武装したイラン艇数隻が英企業の石油タンカーの拿捕(だほ)を試みた事件から一夜明けた11日、米国防総省は、ペルシャ湾(Persian Gulf)を航行する船舶を軍が護衛する案を協議していると明らかにした。

 米軍の次期統合参謀本部議長に指名されているマーク・ミリー(Mark Milley)陸軍参謀総長は上院軍事委員会(Senate Armed Services Committee)で、「海軍による商船の護衛に関して」連合を組織しようとしていると説明。「今後2、3週間で進展すると考えている」と述べた。

 英首相報道官は11日、イランが軍艦3隻を展開させ、英石油大手BPのタンカー「ブリティッシュ・ヘリテージ(British Heritage、全長274メートル)」の通航を妨げようとしたと非難した。

 イランの革命防衛隊(Revolutionary Guards)は関与を否定する一方、英国が先週、石油を満載したイランのタンカーを対シリア制裁違反を理由に英領ジブラルタル(Gibraltar)沖で拿捕したことについて、米英は「強く後悔」することになると警告した。

 英仏当局者らは、タンカーの護衛をめぐる協議について言明することを避けた。

 湾岸地域では5、6月に船舶が攻撃を受ける事案が相次いで以降、緊張が高まっている。攻撃をめぐっては、イランが吸着型機雷によって実施したとの非難を受ける一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が同国への報復攻撃を命じ、実行直前に撤回する事態となっていた。(c)AFP/Paul HANDLEY