チェルノブイリ原発4号機覆う巨大シェルター、正式稼動開始 ウクライナ
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【7月11日 AFP】ウクライナと欧州のパートナー諸国は10日、1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ(Chernobyl)原子力発電所4号機を覆う、鋼鉄製シェルターの正式稼働を開始した。
この「新安全閉じ込め設備(New Safe Confinement)」と呼ばれる世界最大の移動式金属製構造物は、1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発4号機の残骸を封印するもの。
シェルターの総工費15億ユーロ(約1830億円)は、欧州復興開発銀行(EBRD)が立ち上げ、45か国が後援した特別基金によって賄われた。高さは108メートルで、仏パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)をすっぽり覆うことができ、重量は3万6000トンだ。EBRDによると、ドームは竜巻にも耐え、100年間は持ちこたえるように造られているという。
2016年に設置されたこのシェルターは、事故直後に急造された閉じ込め設備を完全に覆うものだ。
EBRDは10日の正式稼動にあたり、「チェルノブイリの環境の点から見て安全で確実な状態への転換において、次なる段階を示した」と述べ、シェルターをウクライナ当局に正式に引き渡した。(c)AFP