【7月10日 AFP】英下院は9日、同性婚と人工妊娠中絶の権利を北アイルランドに拡大する内容の法改正案を可決した。不在状態が続く北アイルランド自治政府が10月21日までに再開しない限り、拡大が実施される。

 これらの権利を認める法律は英国の他地域ですでに施行されており、活動家らは今回の動きについて、社会保守主義的な北アイルランドに同様の法規を適用する上で「大きな前進」だと称賛している。

 北アイルランドでは2017年1月、勢力を分け合う二大政党、民主統一党(DUP)とシン・フェイン党(Sinn Fein)の対立により自治政府が崩壊。数回の協議を経ても双方の溝は埋まっていない。

 両党が今後数か月で政府発足に向けて合意に達した場合、今回の改正は適用されない。

 同性婚や中絶をめぐる法規の緩和については、テリーザ・メイ(Theresa May)政権を支持するDUPも強く反対している。

 自治政府が近く発足する兆しがない中、英議会にはいら立ちが募っており、採決ではメイ首相の与党・保守党の議員多数が改正に賛成した。

 改正案は今後、英上院で採決される。(c)AFP/Alice RITCHIE