【7月9日 AFP】米国防総省は8日、南部テキサス州の対メキシコ国境から入国する移民への対応の支援のため、州兵を1000人追加動員するよう国土安全保障省(DHS)から要請があったと明らかにした。テキサス州では移民収容施設が「危険なほど過密」な状態で、中には1か月間シャワーを浴びられない人やソーセージのサンドイッチのみの食事で便秘に苦しむ人もいると報告されており、DHSに非難の声が上がっている。

 国防総省の発表によると、税関・国境警備局(CBP)が対メキシコ国境を越える移民の数に圧倒されているとして、テキサス州兵が支援に当たれるよう認可を求められたという。

 移民当局の支援を目的にすでに州兵など数千人が対メキシコ国境沿いに派遣されているが、国防総省によると臨時的な収容業務などに当たる権限を州兵1000人に与えるようDHSから要請されたという。

 追加派遣される州兵は国境東部の町ダナ(Donna)と同中部トーニロ(Tornillo)にある単身および成人移民用収容施設の運営支援に当たるほか、国境の治安や交通量の改善のためエルパソ(El Paso)とラレド(Laredo)の検問所や空港でも支援を行う。

 国防総省は要請を受けた日時や派兵の決定については明確にしていないものの、「テキサス州の(グレッグ・)アボット(Greg Abbott)知事はCBPの支援に州兵を動員することに同意している」という。

 先週、テキサス州の移民収容施設が「危険なほどに過密」していると指摘する報告書がDHSの監察長官から発表され、同書には幼い子どもを含む多数の移民がおりのような待機場所や小部屋の中で肩を突き合わせる写真も掲載されていたことから、DHSに対する非難の声が上がっていた。(c)AFP