【7月9日 AFP】著名な人権派弁護士のアマル・クルーニー(Amal Clooney)氏が8日、フィリピンの著名ジャーナリスト、マリア・レッサ(Maria Ressa)氏の弁護団に加わる意向を発表した。レッサ氏が運営するニュースサイトは、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)比大統領と繰り返し対立している。

 報道分野での業績が評価され、2018年には米誌タイム(Time)の「今年の人(Person of the Year)」にも選出されたレッサ氏は、自身が運営するニュースサイト「ラップラー(Rappler)」をめぐり複数の罪に問われている。これについて報道の自由を擁護する人々からは、「迫害」行為だとして非難が上がっている。

 クルーニー氏は所属する英ロンドンの法律事務所、ダウティー・ストリート・チャンバー(Doughty Street Chambers)から8日に発表された声明で、「マリア・レッサ氏はニュース報道を理由に迫害され、人権侵害に抵抗する勇敢なジャーナリストだ」と述べた。

 今年に入り2度逮捕され現在、脱税と名誉毀損(きそん)の罪を問われているレッサ氏は、自分に対する訴追を利用してドゥテルテ大統領が批判勢力を黙らせ、メディアを脅迫しようとしていると非難している。

 ドゥテルテ大統領による麻薬取り締まり作戦は多数の死者を出しているが、政府は単に法を行使しているだけだと主張している。これに批判的な報道を発信してきたレッサ氏のニュースサイトに対しては、いくつもの訴訟が起こされている。ドゥテルテ氏は、レッサ氏のニュースサイトを「フェイクニュース媒体」だと断じている。(c)AFP