【7月10日 Xinhua News】中国では、人工知能(AI)技術をベースにした革新的製品が雨後のたけのこのように次々と登場している。次世代通信規格「5G」の実用化が進む中、これらは中国人の生活のあらゆる分野に変化をもたらしている。

 中国のインターネット検索大手の百度(バイドゥ、Baidu)が3、4両日に開いたAI開発者会議「バイドゥ・クリエイト2019」で、創業者の李彦宏(Robin Li)董事長兼最高経営責任者(CEO)は自動駐車技術が既に注文を受けており、カーオーナーは間もなく自ら体験できるだろうと述べた。

 中国の自動運転技術は現在、全体としてレベル3(条件付き運転自動化)とレベル4(高度運転自動化)にあり、百度副総裁でスマート運転事業グループ総経理の李震宇(Li Zhengyu)氏は、レベル4に対応する自動運転車の都市公道テスト走行距離が200万キロを超え、13都市をカバーし、新たに438件の特許を取得したことを明らかにした。

 交通分野だけではない。上海浦東発展銀行の潘衛東(Pan Weidong)副行長(副頭取)は、顧客に一対一の金融アシストサービスを提供する「デジタル行員」を年内に発表できると述べた。この優しく親切なアシスタントは24時間オンラインで利用でき、どんなことも記憶して、顧客のニーズをはっきり理解できるという。

  医療分野でも「奇跡」が起きている。5G+AIのサポートの下、北京積水潭医院の整形外科医がこのほど、世界で初めて5G技術を使った3地点同時遠隔整形外科手術を成功させた。ロボットアームを遠隔操作して、浙江省嘉興市と山東省煙台市の病院にいる患者2人の体内にそれぞれ6本ずつ、計12本の椎弓根ガイドピンを挿入する手術だった。

 現在、データ資源は技術革新の重要なよりどころとなり、今後の世界的生産構造の全体変革に関わっている。世界の主要国が関連する産業政策を相次いで策定し、新たな発展の強みを手に入れようとしている。中国のAI技術もここ数年、急速な発展を遂げてきたが、コア技術や基礎研究、安全規則の面で依然強化を必要としている。

 AIの発展に伴い、その安全性もホットな話題になっている。業界の専門家は、AIがもたらす安全リスクについて戦略的で前向きな研究を強化し、関連する法律法規や倫理規範、政策体系を徐々に確立することが中国内外の共通認識になっていると指摘している。上海市はこのほど、AIの発展によって生じる恐れのある安全リスクを防ぐため、①AIの発展はユーザーのプライバシーを犠牲にしてはならず、データ保護に関する法整備を強化する必要がある②アルゴリズム設計とデータ収集が引き起こす不公正な影響を克服し、技術のブラックボックスが招く安全リスクを避けなければならない③AI技術の軍事分野への応用は慎重を期し、国産化兵器の研究開発と使用は厳しいリスク評価に従わなければならない④技術と政策の不適合による安全リスクを避けるために、国際的な規範や標準を積極的に確立しなければならない-などと提案した。(c)Xinhua News/AFPBB News