【7月8日 AFP】オランダのアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)は8日、巨匠レンブラント(Rembrandt)の世界的な名画「夜警(The Night Watch)」の修復作業を開始し、その様子をインターネットを通じてライブ配信する。数億円が投じられる修復の模様を全世界の人々に見てもらうことが目的で、来館者もガラス越しに直接作業の様子を見られるという。

 美術館によると今回のプロジェクトは「夜警作戦」と呼ばれており、レンブラント作品の修復作業としては過去最大規模。「夜警」の大規模修復は40年ぶりで、前回は精神疾患を抱えた男に刃物で切り付けられたことから行われた。

 現在、作品は美術館の専用スペースに置かれているが、刃物で傷つけられたところを中心に数か所白くぼやけた部分が現れるなど絵に変化が起きており、描かれている小さい犬の姿が見えにくくなっているという。

 タコ・ディビッツ(Taco Dibbits)館長は昨年10月に今回のプロジェクトを明らかにした際、美術館側が「変化がどう起きているか把握し、最善の修復方法を見つけたい」と説明していた。

 今後専門家らはニス、絵の具、キャンバスの各層を高解像度画像とコンピューター解析で調査し、どのような修復の手法が最適であるか判断する。(c)AFP/Danny KEMP