【7月8日 AFP】ドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領とトランプ政権を「無能」で「例を見ないほど機能不全」と酷評した駐米英国大使の報告メモが流出した問題で、トランプ氏は7日、大使について「英国にきちんと貢献していない」「特に好きでもない」などと反撃した。英当局は流出経緯の調査に乗り出した。

　英大衆紙メール・オン・サンデー（Mail on Sunday）によると、キム・ダロック（Kim Darroch）駐米大使は本国への極秘電報や報告書の中で、トランプ政権が「大失敗」し「不名誉な形で終わる」可能性があると指摘。「この政権が今より十分に健全化するとも、機能不全や予測不能性、分裂状態、外交下手、無能さが改善するとも考えていない」などと述べていた。

　トランプ氏は、流出したメモについて報道陣から問われ「大使は、英国にきちんと貢献していない。それだけは言える」と答えた。

　さらに「われわれは、あの男が特に好きでもないし、彼は英国にきちんと貢献していない。だから、事情は理解できるし、彼に関していろいろ言うこともできるけれど、わざわざ言う気にはならない」と続けた。

　英外務省は、今回の流出事件の正式な調査を行うと発表した。

　ジェレミー・ハント（Jeremy Hunt）英外相は、「まず言っておくべき重要な点は、（ダロック）大使は駐在先の国で起きていることについて、率直に報告し個人的な見解を伝えるという大使の務めを果たしていたということだ。そして、そういった報告書を本国に送るのが彼（ダロック大使）の仕事だが、それは個人的見解であり、英政府の見解でも、私の見解でもないという点だ」と述べ、大使のメモの内容とは距離を置いた。

　その上で「われわれは引き続き、トランプ大統領の下の米政権は極めて効率がよく、国際舞台で英国が得られる最良の友だと考えている」とハント氏は述べた。(c)AFP