【7月8日 CNS】インターネット上で最近、「楽山大仏が修復されてイケメンになった!」と話題になっている。

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 中国四川省(Sichuan)楽山市(Leshan)にある「楽山大仏(Leshan Giant Buddha)」は、唐の時代の開元元年(713年)に造られ、1300年を超える歴史がある。世界で最も大きな石刻弥勒菩薩(みろくぼさつ)の座像で、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されている。

 その楽山大仏も、風雨にさらされて「体調不良」になる時もある。2018年10月8日、楽山大仏の胴体の破損を修復し、保存する工事が始まった。175日間の修繕を経て今年3月末に完成し、4月26日に正式に披露された。

 するとインターネットでは「楽山大仏が美白で、すべすべになった!」「イケメンのアイドルのようだ!」と話題になった。修復前後の写真も並べてアップされ、「歴史の深みや文化的味わいがなくなった」「これが修復というなら、恐ろしいことだ」といった書き込みも寄せられた。

 楽山大仏石窟研究院責任者の彭学芸(Peng Xueyi)氏は「インターネットで出回っている写真は画像処理ソフトで加工されたもので、事実ではありません。修復された本物の大仏とは大きな差があります」と説明。誰かが悪ふざけで大仏の画像を加工し、特に顔と胸の部分が「美白」に強調されているという。

 「大仏の修復方法は多くの専門家の審査を経ており、国家文物局の承認も得ています。工事も文物法などの関連法律に基づいて行われています」と彭氏。今時のイケメン顔でなく、長い歴史を経てきた威厳と風格を保っているので「ご安心を」。(c)CNS−四川在線/JCM/AFPBB News