【7月8日 AFP】香港で7日夜、中国本土とつながる鉄道駅前を終点とする大規模なデモ行進の終了後、デモの参加者らと警官隊が衝突した。

 香港では、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、大規模なデモが1か月ほど続いている。デモの参加者のうち少数の強硬派と警察の間では、暴力的な衝突が相次ぎ発生している。

 7日のデモは、マスク姿の若者らが立法会(議会)議事堂を占拠するという前代未聞の事態となった1日以降では初めての大規模な抗議活動。親中派の政治指導者らに圧力をかけ続けたいとする反政府デモの参加者らは大挙して、九龍(Kowloon)半島側にある尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のウオーターフロント地区を練り歩き、香港と本土を結ぶ高速鉄道の西九龍(West Kowloon)駅前へと向かった。

 尖沙咀は中国本土からの観光客に人気のエリアで、中央政府の指導者らが大規模な検閲を行っている本土からの旅行者に対し、香港の抗議運動を説明する機会になると宣伝されていた。

 7日の行進は問題なく終わったが、デモ開始から数時間後の夜になり、撤退を拒んだ参加者数百人を解散させるため、警棒や盾で武装した機動隊が参加者に突撃。両者の衝突に発展した。AFP特派員らによると、複数のデモ参加者が警察に拘束され、その手首にはプラスチック製の手錠がかけられていたという。

「逃亡犯条例」改正は世論の反発を受けて延期されているが、香港市民の怒りは全く静まらず、民主改革や香港の自由の縮小を止める動きに発展している。(c)AFP/Jerome TAYLOR, Elaine YU