【7月8日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産委員会(World Heritage Committee)は7日、アゼルバイジャンの首都バクーで行っていた審査で、米建築家フランクロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)氏が手掛けた米ニューヨークのグッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)を含む8作品を世界文化遺産(World Heritage)に登録することを決定した。建築分野での登録は米国では初めてとなる。

 1959年に死去したライト氏は、環境を融合させた有機的建築や、空間の内側と外側の曖昧な境界、スチール材とコンクリートの斬新な組み合わせなどで、20世紀のデザインに大きな影響を与えたことが高く評価された。

 ライト氏の作品の中で恐らく最も有名なグッゲンハイム美術館は、オウムガイを思わせるらせん形のデザインで知られる。登録された作品群には、米ペンシルベニア州ミルラン(Mill Run)の滝の上に建てられた邸宅「落水荘(Fallingwater)」も含まれている。

 残りの6作品は、ウィスコンシン州マディソン(Madison)のハーバート・キャサリン・ジェイコブス邸(Herbert and Katherine Jacobs House)、イリノイ州オークパーク(Oak Park)のユニティー・テンプル(Unity Temple)、同州シカゴのフレデリック・C・ロビー邸(Fredrick C. Robie House)、ウィスコンシン州スプリンググリーン(Spring Green)のタリアセン(Taliesin)、アリゾナ州スコッツデール(Scottsdale)のタリアセン・ウエスト(Taliesin West)、カリフォルニア州ロサンゼルスのホリーホック邸(Hollyhock House)。

 米国には世界文化遺産が23か所あるが、建築群の登録は今回が初めて。(c)AFP