【7月8日 Xinhua News】米大手漫画出版社、マーベル・コミック(Marvel Comics)のC・B・セブルスキー(C.B. Cebulski)編集長は中国上海市でこのほど、中国は既に「マーベル世界(Marvel Universe)」の一部だと述べ、コミックの出版を通じて中国のクリエイターが中国的要素を取り入れて作り出したアニメのスーパーヒーローを世界の人々に紹介するとともに、中国の漫画人材の発掘にも積極的に参加していくとの考えを示した。

 上海で4〜8日の日程で開催されている第15回中国国際アニメーション・ゲーム博覧会(CCG EXPO 2019)で、マーベルは中国的要素を取り入れた新たなアニメのスーパーヒーロを主人公にしたコミック2作品「スウォードマスター(Sword Master、中国名:三皇斗戦士)」と「エアロ(Aero、中国名:気旋)」の米国での出版状況を公表した。これらの作品はストーリーのオリジナル性を損なわないよう中国の制作チームにより作られたという。「スウォードマスター」は7月末の出版予定で「エアロ」は既に3日に出版されている。

 セブルスキー氏は「『エアロ』は非常に良い評価を受けている」と説明。2作品は中国人読者だけを対象に制作したのではなく、世界のマーベルファンのために制作したと述べ、2人のスーパーヒーローが今後「アベンジャーズ」とコラボレーションする可能性も示した。

「2015年に中国に来たが、中国の食べ物や都市の様子など以前は知らなかった多くのことに衝撃を受けた。この2人の主人公がこれらの中国的要素を『マーベル世界』に持ち込むことで、マーベルの読者に中国の文化を知ってもらいたい」とも語った。

「マーベル中国漫画人材発掘キャンペーン」の結果も発表された。マーベルと中国国際アニメーション・ゲーム博覧会が4月に共同で提唱した同活動では、多くの中国人投稿者の中から最終的に9人が選ばれた。彼らはマーベル・コミックとの協力機会を得ることになる。

 セブルスキー氏は「投稿作品はどれも素晴らしく、結果についても満足している」と語り、中国人作家が見せた才能は同氏に深い印象を与え、同時に多くの中国人作家を雇用することに対する期待をマーベルに与えたと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News