【7月14日 Xinhua News】「ハイブリッド米の父」袁隆平(Yuan Longping)氏の秘書で、中国アフリカ支援ハイブリッド米モデルプロジェクトの責任者の一人でもある楊耀松(Yang Yaosong)氏は、2007年からこれまでにアフリカを15回も訪れている。

 今年5月7日、湖南省(Hunan)にある国家ハイブリッドイネ工学技術研究センターの海外における唯一のサブセンター、アフリカサブセンターがマダガスカルのマヒチ(Mahitsy)に開設された。これは楊氏の10万キロを超える奔走に対する最高の報いであり、中国とアフリカの友情の証しでもある。センターは建設完成後、アフリカの食糧の安全を強力に保証し、推進することになる。

 「われわれはマダガスカルの多様な生態環境を利用し、さまざまなアフリカの国に適したハイブリッド米品種を選抜・育成しており、2030年までにアフリカが食糧問題を基本的に解決できるようサポートする計画だ」。楊氏はこう話し、センターの仕事の重点には栽培技術の現地化と地元の農業技術者の研修などが含まれると説明した。 

 このほかにセンターは地元の専門的種子会社育成、販売網の構築、種子生産コスト引き下げに力を入れ、より多くのアフリカの普通の農民がハイブリッド米の種子を買い、使うことができるようにしていく。

 楊氏と同じく湖南省の「袁氏種業」の専門家、胡月舫(Hu Yuefang)氏も10年以上アフリカ支援を行ってきた。胡氏は農地に教室を設け、栽培の知識を農民に手取り足取り教えた。より良く地元の人々と交流するため、胡氏は50歳を超えてから2、3年かけて地元で話されているマダガスカル語を学んだ。

 現在、胡氏とチームは地元の土壌と気候に適した5種類の高収量ハイブリッド米の品種を育成することにすでに成功している。さらに3つの新品種のテストも終わりに近づいており、来年マダガスカル政府に査定を申請する予定だ。「1ヘクタール当たり10.8トンだ」。胡氏はこれらの品種の生産量は地元の一般的なイネの3倍以上だと説明した。

 2017年4月、マダガスカルのヘリー・ラジャオナリマンピアニナ大統領は胡氏のチームの試験田を視察し、ハイブリッド米の高い生産性を見て、すぐにでもこれをマダガスカル全土に普及させたくなったと喜びながら話した。

 今年6月28日、リベリアのニンバ州で、中国リベリア支援農業技術協力プロジェクトの専門家・蘇利栄(Su Lirong)氏はプロジェクトチームを代表し、地元の農民に計1トンのハイブリッド米の種子と一部の肥料や農薬などの生産物資を寄贈した。リベリア農業省駐ニンバ州コーディネーターのサミュエル・グロリア氏は、「ニンバ州で栽培される中国のハイブリッド米品種の平均生産量は地元農民が栽培する品種の2倍だ。リベリアがハイブリッド米の種子生産を現地化できるよう中国の専門家が早急にサポートすることを希望している」と述べた。

 中国政府農業海外支援プロジェクトの上級専門家で袁隆平氏の弟子でもある方志輝(Fang Zhihui)氏は次のような印象的な出来事を紹介した。2017年8月23日、マダガスカル農業畜産水産省が長沙市(Changsha)に代表団を派遣し、袁氏を表敬訪問するとともに、袁氏に新しいマダガスカル紙幣をプレゼントした。マダガスカルの高官は、「マダガスカルにおける中国のハイブリッド米の栽培面積はどんどん大きくなっている。あなたと中国への感謝を表すため、われわれはイネを新しい貨幣の図案にした」と説明した。

 マダガスカルのルシアン・ラナリヴェル農業畜産水産相は今年5月、同国首都で開催された「ハイブリッド米全国発展会」で、中国が有する先進的な農業技術は、マダガスカルにも伝えることができるもので、双方は互いに尊重し、協力はウィンウィンであると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News