【7月6日 AFP】スロベニア中部にある風光明媚(めいび)な町セブニツァ(Sevnica)は、メラニア・トランプ(Melania Trump)米大統領夫人の故郷。メラニアケーキ、メラニア蜂蜜、さらにはメラニアスリッパと、同夫人の名を冠した品を売り出してきたこの町に、今度は夫人の等身大の彫像が登場した。ただし、像の出来栄えについては辛口の評価も目立っている。

 像は5日、セブニツァの町外れでお披露目された。発案したのはコンセプチュアル・アート(概念芸術)を専門とする米芸術家、ブラッド・ダウニー(Brad Downey)氏(39)。ダウニー氏は、メラニア夫人にささげられた像は世界で初めてだと述べている。

 像は木をチェーンソーで削り出したもので、青い服を着て、左手を振るメラニア夫人を表現している。夫人は2017年、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任式で同じしぐさをしていた。

 作品はやや素朴な印象で、ソーシャルメディア上では「かかし」だと批判する声も上がっている。

 ダウニー氏は、スロベニアにあるメラニア夫人のルーツを探るプロジェクトの中で像の制作を思い付き、「Maxi」の名で知られる現地の工芸家、アレシュ・ジュペウツ(Ales Zupevc)氏に制作を委託した。

 AFPの取材に応じたダウニー氏は、Maxiがメラニア夫人と同じ年に、同じ病院で生まれたことを知り衝撃を受けたと話し、「確かに、外見の表現としては、足りないところがあると思う人はいるかもしれない」と述べた一方、完成した彫像は「絶対に美しい」と考えていることを強調した。

 セブニツァは静かな町だが、トランプ大統領の就任以降、メラニア夫人の過去を知ろうとする観光客や記者たちが数多く訪れている。商魂たくましい現地住民たちは、「メラニア」ブランドの食品やグッズ、さらに夫人が子ども時代を過ごした重要な場所をめぐるツアーを売り出して、町を訪れる人々から収入を得てきた。(c)AFP