【7月6日 AFP】スーダンを暫定的に統治している軍事評議会と民政移管を求めるデモ隊の指導部が新統治機構について歴史的な合意を結び、首都ハルツームでは5日、大勢が街頭で祝福した。

 軍事評議会とデモ隊指導部は3日、隣国エチオピアとアフリカ連合(AU)の懸命な仲介を受けて交渉を再開。5日未明に懸案事項だった新統治機構のトップについて、軍人と文民の輪番制とすることで合意した。前回の交渉はトップを文民とするか軍人にするかをめぐり両者が対立し、5月に中断されていた。

 昨年12月にオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領に対する抗議デモを開始し、反政府デモを主導してきたスーダン専門職組合(SPA)は合意を歓迎。声明で、「きょう、われわれの革命は勝利を収め、われわれの勝利は輝いている」と述べた。

 ハルツームの街頭では大勢が合意を祝い、「犠牲者が流した血は無駄ではなかった」「民政、民政」とシュプレヒコールを上げた。

 デモ指導者のアハメド・ラビ(Ahmed al-Rabie)氏がAFPに語ったところによると、新統治機構の構成は軍人5人、文民6人になる見通し。文民のうち5人をデモ隊が指名するという。

 SPAによると、新たな機構の統治期間は3年と3か月になる見通し。機構のトップは初めの1年9か月は軍人が、残りの1年6か月は文民が務めるという。

 民主化勢力の一派「自由・変革同盟(Alliance for Freedom and Change)」の指導部は5日、最終合意は来週、各州知事の立ち会いの下で結ばれると発表した。新統治機構のメンバー候補と首相候補について、来週までに指名の用意をするという。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、「全ての利害関係者が、時宜にかなった包括的で透明性ある合意の履行を実施し、あらゆる懸案事項を対話によって解決する」ことを呼び掛けた。

 軍事評議会に賛同していたアラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアも、今回の合意を歓迎した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、この合意によりスーダン国民に対して長年行われてきた「恐ろしい犯罪」に終止符が打たれることを期待すると表明した。(c)AFP/Claire Doyen and Abdelmoneim Abu Idris Ali