【7月12日 Xinhua News】中国の江西省博物館はこのほど、開催中の「驚きの大発見 南昌漢代海昏(かいこん)侯国考古学成果展」の展示品の更新を行い、前漢時代(紀元前202年~8年)の長方形の銅鏡「孔子衣鏡」を初公開した。

 「孔子衣鏡」は前漢時代の諸侯墓、海昏侯劉賀(Liu He)墓の主椁室(ひつぎをおさめた部屋)から出土した。鏡は表面が滑らかで美しい長方形の銅板で、中間部から上下に二つに割れた状態で出土、素地全体に装飾は見られなかった。鏡の背面は木製で、保存状態は良好。鏡の背面全体に赤い漆が塗られ、孔子とその弟子の絵が描かれている。衣鏡には孔子が庶民の姿で描かれ、弟子のイメージも非常に個性的だ。この他、衣鏡には1850字の文字があり、そのうち衣鏡の裏面は孔子について600字の文字が記載されている。また、19行の「衣鏡賦」の文字がある。

 中国社会科学院考古研究所の王仁湘(Wang Renxiang)研究員は、衣鏡の出土位置が主椁西室の入り口付近であることから、入り口を守る魔除けのための鏡の可能性が高いが、鏡面が大きいことから服を着る際の鏡として使われた可能性もあると考えている。(c)Xinhua News/AFPBB News