【7月5日 AFP】韓国で、従軍慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」が、正式に解散した。政府関係者らが5日、明らかにした。

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 財団は2015年、当時の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)政権と日本政府の合意により、日本統治時代(1910~45年)の歴史認識をめぐる問題打開策の一環として、日本政府が10億円を拠出して設立された。

 10億円は元慰安婦や遺族らへの補償金に充て、これをもって慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的な解決」とすることで、日韓両政府は合意。これまでに約5億円が元慰安婦らに支給された。しかし韓国内には、2015年の合意では日本が負う責任が不十分だとする反発があった。

 韓国の女性家族相は5日、財団の解散手続きが完了したと発表。ただ日本が拠出した10億円のうち残る基金の使途については未定だとしている。

 これに対し、日本の西村康稔(Yasutoshi Nishimura)官房副長官は同日の記者会見で、韓国政府による財団の解散は日韓合意に反するものであり「極めて問題だ」とし、「到底、受け入れられない」と述べた。

 日韓関係は、日本統治時代の徴用工らが戦時中労働の損害賠償を日本企業に求めた訴訟問題などで、同財団の正式解散前から既に冷え込んでいた。(c)AFP