【7月6日 CNS】中国には、「科学流言榜(Kexueliuyanbang)」という科学分野の誤認やデマを正す役割を果たす情報プラットフォーム「科学流言ボード」がある。北京市科学技術協会(Beijing Association for Science and Technology)などの団体が共同で運営しており、毎月、さまざまな分野のデマや誤認に対して、科学的に正しい説明と要点を押さえた解説をしている。

 例えば、6月に選ばれたデマには、以下のようなものがあった。

デマ1:5Gの輻射(ふくしゃ)は4Gより大きく人体に有害。

真相1:日用の家電製品に比べ、基地局の発する電磁波輻射量は非常に小さい。またネットワーク通信速度は信号電波の強さではなく、周波数帯域幅で決まるもの。

デマ2:老人の認知症治療のワクチンができた。

真相2:認知症のうちアルツハイマー病は医学界の難題の一つ。完全に治す方法はまだ見つかっていない。

デマ3:心臓の冠状動脈のステント(血管などの管に挿入して閉塞を緩和する筒)は、胸をたたかれたら折れる。

真相3:ステントは挿入後、しばらくすれば血管と一体化する。殴られたり、たたかれたり、また運動をしても影響はない。

デマ4:サウナスーツを着ると運動量が少なくても手早く減量ができる。

真相4:サウナスーツを着て運動すると体温が上昇し大量の汗をかき、体は脱水状態になるので、一時的に体重は減る。しかし、脂肪は減っておらず、水分を補給すれば体重は元に戻る。

デマ5:特別配合の粉ミルクで乳幼児のアレルギーが治る。

真相5: 最近、ある粉ミルクメーカーが行政部門から生産停止命令を受け、製品は回収された。特殊配合粉ミルクと称する製品はいずれも固形飲料に属し、特殊配合粉ミルクとは全く別物。

デマ6: ライチを食べると脳炎になる。

真相6:ライチを食べても脳炎にはならない。ただし食べ過ぎると重い低血糖になり、脳浮腫(これを急性脳炎症候群と診断される可能性あり)を誘発するおそれはある。しかし、ライチの季節と脳炎が多発する季節は重なるので、誤診が生じやすい。

デマ7:断食をするとがん細胞が餓死する。

真相7:腫瘍の細胞は人体の一部で、際限なく増殖でき、体内の正常細胞から栄養吸収する。飢餓療法ではがん細胞を餓死させられないし、体力や免疫力が低下するだけだ。

(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News