【7月5日 AFP】イタリア・ストロンボリ(Stromboli)島のジノストラ(Ginostra)村では4日、前日の大規模な火山噴火で避難していた住民らの帰還が始まり、火山灰に覆われた道や家々の掃除に追われた。

 山腹では消火活動が続くが、噴火の影響で小規模な津波の発生が警告された海では、早くも海水浴を再開する人の姿も。

 火山学者や地元住民は、今後しばらくは噴火は起きないだろうと伊メディアに語っている。

 3日に発生した噴火では、観光客約1000人が取る物も取りあえず、船で近隣のカラブリア(Calabria)州沿岸部に逃げた。火山の西側に位置するジノストラ村からは70人が避難した。

 救急当局によれば、ブラジル人の友人と一緒にハイキングに訪れていたシチリア(Sicily)島出身の男性1人が、噴石と噴煙に巻き込まれて死亡した。負傷者も複数いるが、軽傷だという。

 ストロンボリ島の火山は常時観測の対象となっているが、今回の噴火は前兆がなく、異例だと専門家は指摘している。

 島内では土砂崩れが起きる恐れがあるため、住民以外の立ち入りは今後1か月間は禁止される。また、専門家チームが観測拠点を設けて火山活動を監視するという。

 ストロンボリ島はシチリア島の沖合にあるエオリエ諸島(Eolian Archipelago)に位置する。ロベルト・ロッセリーニ(Roberto Rossellini)監督作、イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)さん主演の映画『ストロンボリ/神の土地(Stromboli)』で有名になり、溶岩火口を目当てに観光客が多く訪れる。(c)AFP/Giovanni Isolino