【7月5日 AFP】(更新)マレーシア当局は4日、米俳優レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さん主演映画のプロデューサーとして知られるマレーシア人、リザ・アジズ(Riza Aziz)容疑者を、マネーロンダリング(資金洗浄)の容疑で逮捕した。リザ容疑者は5日、首都クアラルンプールの裁判所に出廷し、政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」から不正資金を受け取ったとして起訴された。

 リザ被告は、ディカプリオさん主演の映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート(The Wolf of Wall Street)』のプロデューサー。ナジブ・ラザク(Najib Razak)前首相の再婚相手ロスマ・マンソール(Rosmah Mansor)夫人の息子で、ナジブ前首相とは義理の親子に当たる。

 ナジブ前首相夫妻は共に、1MDBの政府資金を不正に利用した罪で起訴されている。

 リザ被告は、2011~12年に1MDBから流用された資金2億4817万ドル(約270億円)を不正に受け取り、自身が共同創設した映画製作会社「レッド・グラナイト・ピクチャーズ(Red Granite Pictures)」の銀行口座に送金したとされる。

 リザ被告はマネーロンダリングなど5件の罪状について、無罪を主張している。

 汚職対策委員会のラシーファ・コヤ(Latheefa Koya)委員長によると、リザ被告は汚職収賄捜査官らの取り調べを受けた後、4日に身柄を拘束され、保釈金を支払って保釈された。

 匿名を条件に取材に応じた同委員会の別の関係者も、リザ被告の逮捕は1MDBの捜査絡みだと述べている。

 ナジブ前首相と周辺人物らは、1MDBから多額の資金を不正流用し、ヨットや高額美術品などを購入。世界をまたにかけて不正を行った疑いが持たれている。(c)AFP