【7月4日 AFP】シリア北部ラッカ(Raqa)近郊で、約200人の遺体が地中に遺棄されているのが見つかった。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に虐殺されたとみられる人々が含まれているという。現地当局者と在英NGOシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が3日、明らかにした。

 見つかった遺体の中には、オレンジ色のつなぎを着用した状態で縛られ、頭を撃たれた中年男性5人が含まれているという。オレンジ色のつなぎはISに拉致された人質がよく着せられていたものと酷似しており、殺害されたのは2年以上前とみられる。身元は特定できていない。

 また、頭蓋骨に激しい損傷のある女性3人の遺体も見つかった。石打ちで殺害されたようだという。

 遺体は先月上旬、かつてISが「首都」と称していたラッカの南郊で発見された。付近には約800人の遺体が埋まっている恐れがあるという。

 ISに拉致された数千人の安否が今なお分かっておらず、その中には外国人も含まれている。今回の発見が行方不明者の特定につながる可能性がある。

 ISは2014年にラッカを完全掌握し、イラクとシリアにまたがる「カリフ制国家」の「首都」と位置付けた。ラッカは2017年10月、米国の支援を受けた部隊によってISから奪還された。(c)AFP