【7月4日 AFP】(写真追加、更新)イタリア南部シチリア(Sicily)島沖にあるストロンボリ(Stromboli)島で3日、大規模な噴火が発生し、ハイキング中の観光客1人が死亡、住民や観光客ら約70人が避難する事態となっている。

 イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)によると、グリニッジ標準時(GMT)午後2時46分(日本時間同11時46分)ごろ、火口中央南側で大規模な噴火が2回発生した。ストロンボリ島で史上最大規模の噴火だったとしている。この噴火に先立ち、火口部分にある「火山活動のあるすべての噴火口」から溶岩が流出し、上空約2キロの高さまで大量の煙が立ち上ったという。

 伊メディアは、この噴火を受け、観光客の一部が海に逃げ込んだと伝えている。

 伊メディアによれば、死亡したのはシチリア島から訪れていた男性(35)で、ブラジル人の友人と標高400メートル付近をハイキング中だった。救急当局の話では負傷者も出ているが、軽傷だという。

 活火山として知られているストロンボリ火山の今回の噴火について、地元の司祭ジョバンニ・ロンゴ(Giovanni Longo)さんは「空から火の雨が降ってきて、まるで地獄にいるようだった」と報道陣に語った。これによりジノストラ(Ginostra)村周辺で火災が起きたが、伊メディアは大量の煙のため、消防飛行艇による消火活動ができない状態だと報じている。

 ストロンボリ島は七つの島から構成されるエオリエ諸島(Eolian Archipelago)の一つで、面積は12平方キロ。島の中央に活火山がある。

 ロベルト・ロッセリーニ(Roberto Rossellini)監督作、イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)主演の映画『ストロンボリ/神の土地(Stromboli)』で有名になり、溶岩火口を目当てに春先から観光客が多く訪れることで知られている。(c)AFP/Charles ONIANS