【7月3日 AFP】米テキサス州にある移民収容施設が「危険なほど過密」な状態だとして、米国土安全保障省(DHS)の監察長官が2日、警鐘を鳴らした。

 DHSのジェニファー・コステロ(Jennifer Costello)監察長官代行はケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)DHS長官代行へ提出した報告書で「(テキサス州南部)リオグランデバレー(Rio Grande Valley)では、子どもと大人が危険なほど過密な状態で長期間拘束されており、この事態を緩和するために迅速な措置を講じるようDHSに奨励する」と伝えた。

 報告書にはまた同州にある複数の施設で撮影された写真が掲載されており、幼い子どもを含む多数の移民が、おりのような待機場所や小部屋の中に肩を突き合わせるようにして詰め込まれている様子が捉えられている。

 コステロ氏によると、収容施設を管理する幹部の一人はこの状況を「カチカチ動く時限爆弾」と表現し、施設職員と収容されている移民の安全について懸念を強めているという。

 またDHSの監察当局が6月初旬、リオグランデバレーにある国境警備隊の収容施設5か所を視察した際には「同伴者のいない外国人の子ども、家族、独身の成人らが、深刻な過密状況下で長期にわたり拘束されている」実態を確認したという。

 この5か所のうち3か所では、子どもがシャワーを浴びることができず、服を着ている人がほとんどいなかった。また2か所では温かい食事の提供がなく、出されていたのはサンドイッチのみだったという。ソーセージのサンドイッチのみの食事で便秘に苦しむ人もいた。

 さらに独身の成人の大半が1か月間シャワーを浴びておらず、清拭用として代わりにウエットティッシュが配られていた。

 国境警備隊の統計によると、リオグランデバレー一帯では2018年10月から今年5月までに22万3263人が施設に収容され、前年同期から124%増加している。

 DHS監察当局の報告書が提出された前日には、民主党議員のグループがメキシコと国境を接するテキサス州の不法移民収容施設を視察。「恐ろしい」状況にあると非難していた。(c)AFP/Chris Lefkow