【8月11日 AFP】南米ボリビア・ラパス(La Paz)の南西約130キロに位置するコンドル・アマヤ(Condor Amaya)には、土とわらで造られた珍しい四角形の塔が8基、隣り合うようにして立っている。これらの塔は、インカ帝国以前に造られた墳墓で「チュルパ」と呼ばれ、数々の神話や伝説が残されている。

 高さ2~8メートル、幅2~4メートルのチュルパは、アンデス(Andes)山脈のボリビア周辺一帯に独特の技術によって建設された。すべての塔には、太陽が昇る東に面した小さな入り口がついており、そのことが太陽に関連する数々の神話や伝説を生み出してきた。

 一説によれば、チュルパは大昔、「月と共に暮らし、大地の上を歩いた」という。だが大地が位置を変えたため、太陽は西から昇らなくなり、やがて生まれ変わって東から昇るようになり、西を向いていたすべてのチュルパを焼いてしまったという。

 他にも、この地域では風や雨が西からやって来るため、東側に入り口を付けたという理にかなった説もある。

 文化財保護の専門家であるグイド・ママーニ(Guido Mamani)氏は、塔はインカ帝国時代以前のアイマラ諸王国時代とインカ・パカヘス時代という二つの文化期に建設されたとAFPに語った。

 チュルパが建てられ始めたのは10~11世紀で、建設はスペインによる征服時代まで続いた。ギリシャ人考古学者、エイレネ・デラベリス(Irene Delaveris)氏によると、現存する最古のものは15世紀のもの。葬られたのは、王族や軍の高官、裕福な人々だった。(c)AFP/Jose Arturo CARDENAS