【7月3日 AFP】中国を訪問中のトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は2日、習近平(Xi Jinping)国家主席との首脳会談の中でこれまでの姿勢を一転させ、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族は幸せに暮らしていると語った。中国国営新華社(Xinhua)通信が報じた。

 同自治区ではウイグル人らイスラム系を主とする100万人以上の少数民族が施設に収容されているとみられ、中国政府による弾圧への批判が高まっている。だが中国側は強制的な拘束を強く否定し、「研修生ら」は宗教的な過激思想に染まることを防ぐために「職業教育センター」で標準中国語や職業技能を学んでいると主張している。

 こうした中国政府のウイグル政策について、イスラム教国はおおかた沈黙を貫いていたが、トルコ外務省は2月に声明を発表。イスラム教徒でチュルク語(Turkic)系の言葉を話すウイグル人に対する中国政府の措置は「人類にとって大きな恥だ」と非難していた。

 しかし新華社によると、2日に北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で習氏と会談したエルドアン大統領は、批判的だった態度を軟化させ「トルコは常に『一つの中国』原則を支持している」と述べ「新疆ウイグル自治区の多様な民族が、中国繁栄の恩恵を受けて幸せに暮らしていることは確固たる事実だ。トルコは、同自治区と中国の関係に亀裂を生じさせようとする者を許さない」などと強調した。

 さらにエルドアン大統領は、過激思想と対峙するにあたって、中国との政治的な相互信頼を高め、安全保障上の協力を強化する用意ができているとも述べたという。(c)AFP