【7月5日 Xinhua News】中国広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の文物考古研究院は6月29日、市内の大仏寺南院プロジェクト建設地で緊急性の考古学調査と発掘を実施したことを明らかにした。唐や五代、宋、明、清各時期の文化遺構が見つかり、晩唐や五代、宋代の多くの遺物が出土した。

 考古スタッフによると、今回の調査発掘での最も重要な発見は、晚唐期の大規模な陶器の堆積と五代南漢期の大規模なレンガ敷き地面だという。

 晚唐期の陶器の堆積は不規則な灰坑(かいこう)状の遺構で見つかった。坑内には大量の陶器と施釉陶器が集中して埋まっており、壜(たん、液体を入れるつぼ)や罐(かん、広口のつぼ)、椀(わん)、執壺(しっこ、水注)など総数100点を超えた。いくつかの罐の中には椀や小さなつぼなどの容器が入っており、出土時の整理時には一部の容器の間に稲わらが残っていた。考古学スタッフはこれらの陶器と釉陶器が輸送途中に破損し、ふ頭での陸揚げ後に選別され、ここに積まれたのではないかと暫定的に推測する。遺跡付近には当時、陶磁器を運ぶ港があったと考えられ、それは唐代の珠江の北岸が現在の広州市恵福西路一帯にあったことを示している。

 五代南漢期のレンガ敷き地面は発掘エリアの西側で見つかった。保存状態は良く、発掘が済んだ部分の面積は約150平方メートルあった。考古スタッフは、発掘時の状況からこれらが大型建築群の屋外庭園跡だった可能性があるとの見方を示し、周囲には大型建築物があったはずと指摘する。

 広州市文物考古研究院の責任者は、唐末から五代十国時代は広州の街の発展にとって重要な段階であり、今回の考古学的発見が同時期の広州の発展や珠江沿岸の変遷を研究する上で重要な考古学的資料をもたらしたと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News