■「ハレルヤ!」

 2人の勇敢な宇宙飛行士たちが最後にやるべきことは、片付けだった。2人は月面で岩の標本の撮影に使用したカメラ本体、身に着けていたブーツや手袋の他、食品の空き袋、集尿袋などをハッチの方に集めた。

 船内の気圧を再び下げ、ハッチを開けて集めたものを外に押し出し、再びハッチを閉めて最後にもう一度気圧を上げ、食事や睡眠ができる環境にした。

 そして約12時間後の午後1時55分。2人は母船に戻るため月を離れた。母船ではマイケル・コリンズ(Michael Collins)飛行士が待っていた。コリンズ氏は、月面に降りた宇宙飛行士らのライブ中継を見ていない数少ない米国人の一人だったが、無線を通して2人の行動を把握することができた。

 2人をはるか上空から見守っていたコリンズ氏は、ミッションが大成功に終わり、チームメートが無事月着陸船に戻ったことを知ると、その喜びと安堵をこの一言で表した。「ハレルヤ!」 (c)AFP