【7月2日 AFP】チュニジア大統領府は、先週深刻な体調不良で入院したベジ・カイドセブシ(Beji Caid Essebsi)大統領(92)が回復し1日、退院したことを明らかにした。

 大統領府は声明で「大統領は必要な治療を受け回復した後、軍病院を退院し、カルタゴ(Carthage)の自宅に戻った」と説明し、カイドセブシ氏が医療チームに囲まれて座り笑顔を見せている写真を公開した。

 チュニジアの政治家やソーシャルメディアの利用者らは、国内の情勢不安を懸念し、先月27日にカイドセブシ氏が病院へ搬送されて以来、同氏の健康状態に関して透明性のある説明を要求してきた。

 大統領が軍病院に搬送された当日には、首都チュニスで2度の自爆攻撃が発生し、警官1人が死亡、数人が負傷した。この攻撃については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 チュニジアは、中東各国に波及し各国の強権的な政権を崩壊させた民主化運動「アラブの春(Arab Spring)」の先駆けとなった国。カイドセブシ氏はアラブの春から3年が過ぎた2014年に同国初の自由選挙で選出され、政権を握った。(c)AFP