■面会の意義、分かれる専門家の見方

 非武装地帯での米朝首脳の面会が実現すれば、視覚的に強い印象を与える場面になるとみられるが、その影響について専門家の見方は分かれている。

 韓国・東国大学(Dongguk University)の高有煥(Koh Yu-Hwan)教授は「非武装地帯は北朝鮮と米国の軍事的緊張の象徴になっているので、短時間であっても面会は大きなインパクトをもたらすだろう」と述べた。

 一方、釜山大学(Pusan National University)のロバート・ケリー(Robert Kelly)教授は、トランプ氏の招待について「トランプの北朝鮮関連の取り組みがなぜお笑い草なのかを象徴している。急ごしらえの間に合わせで、直前に発表され、テレビ向けだ」とツイート。トランプ氏の「実質よりも見栄えやドラマに対して持つ強い欲望」によるもので、「2020年米大統領選のためのフォトオプ(写真撮影のために設けられる時間)だ」と指摘した。

 しかし韓国・延世大学(Yonsei University)のジョン・ドルーリー(John Delury)氏は、「第2次世界大戦(World War II)後の分断、朝鮮戦争(Korean War)、70年間の敵意によるまだ癒えていない傷を象徴する荒涼とした無人の地」で両首脳が会えば、関係改善に寄与するだろうと述べた。

 映像前半は、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)韓国大統領と会うためにソウルの韓国大統領府(青瓦台、Blue House)へ向かうトランプ氏一行と、歓迎するソウル市民たち。後半は、トランプ氏の訪韓に合わせ、米国と北朝鮮の外交に抗議するソウル市民たち。29日撮影。(c)AFP/Claire LEE, Jerome CARTILLIER