【6月29日 AFP】エジプトサッカー協会(EFA)は28日、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の疑いで同国代表から追放処分となったMFアムル・ワルダ(Amr Warda)に関して、チームメートであるモハメド・サラー(Mohamed Salah)からの要望に応じ、アフリカネーションズカップ(2019 The Africa Cup of Nations)の決勝トーナメントから再合流させる意向を明らかにした。

 25歳のワルダは、セクハラ疑惑が今週ソーシャルメディアで浮上し、開催国エジプトが2-0でコンゴ民主共和国を下した26日の試合前にチームから追放された。この問題ではみだらな言葉を使った証拠として複数の女性がスクリーンショットや証言を投稿したほか、同選手と思われる人物が体の一部を露出しているように見える動画がアップされていた。

 EFAはコメント文で、ハニー・アボ・ライダー(Hani Abou Rida)会長が「当該選手の処分を短縮する決断を下した。従って処分の期限はグループステージ終了までとする」と発表。さらに「ハニー・アボ・ライダー会長は、選手たちが一致団結していることに加え、チームメートであるアムル・ワルダへの許しを求めていることを認識した」と付け加えた。

 グループAの最初の2試合に連勝し、すでに決勝トーナメント進出を決めているエジプトのスター選手であるサラーは、コンゴ民主共和国戦の直後にワルダのセクハラ行為を糾弾する一方で、「2度目のチャンス」を与えるべきだと擁護していた。

 ギリシャ1部リーグのPAOK FCに所属し、昨シーズンの後半はローン移籍でアトロミトス(Atromitos)でプレーしていたワルダも、フェイスブック(Facebook)で謝罪の言葉を口にした。

 2013年に国連(UN)が発表した報告書によると、エジプトでは女性の99パーセントが、世界で最も悪質な行為の一つと認識されているセクシュアルハラスメントの被害に遭っているとされており、ワルダが代表に復帰することに関しては同国内のソーシャルメディアで物議を醸している。

 女性を含めたインターネットユーザーの多くはワルダを擁護している一方で、エジプトでは28日にツイッター(Twitter)上で、アラビア語で「ハラスメント加害者のチーム」を意味するハッシュタグが最も多く投稿されていた。(c)AFP