【6月29日 AFP】米財務省は28日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の息子、ニコラス・エルネスト・マドゥロ(Nicolas Ernesto Maduro)氏(29)に対する経済制裁を発動した。エルネスト氏が米国内に持つ資産は凍結され、米国の個人や企業などは同氏との取引が禁止される。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は制裁発動の発表で、「マドゥロ大統領は、経済における支配権を維持してベネズエラの人々を抑圧するために、息子のニコラシト(エルネスト氏の通称)氏や自身の独裁政権に近い人物たちを頼っている」と指摘。「財務省は、正統性のない政権と関係があり、共謀してマドゥロ氏の汚職から利益を得た親族らを今後も標的にしていく」と述べた。

 エルネスト氏への制裁について、米財務省は、同氏が政権派のみで構成される制憲議会の議員であることを指摘。マドゥロ氏は、制憲議会を利用して国民議会(National Assembly)の影響力をそいできた。

 また米財務省は、エルネスト氏がマドゥロ大統領やマドゥロ大統領の妻シリア・アデラ・フローレス・デ・マドゥロ(Cilia Adela Flores de Maduro)氏と共にベネズエラの鉱山から利益を得ていたほか、政府の宣伝活動や検閲にも関与していたと非難した。(c)AFP/Jim Mannion