【6月29日 AFP】フィリピン南部のホロ(Jolo)島で28日、軍の精鋭部隊を標的とした自爆攻撃があり、兵士3人を含む5人が死亡、兵士9人が負傷した。当局と米民間情報機関が明らかにした。

 軍は、白昼に起きた今回の自爆攻撃の背後には、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓ったイスラム過激派「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」がいるとしている。

 米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」のリタ・カッツ(Rita Katz)ディレクターはツイッター(Twitter)への投稿で、今回の自爆攻撃についてISが自爆犯2人によるものだとする犯行声明を出したと明らかにした。

 ホロ島では今年1月、カトリック教会で自爆攻撃とみられる爆発が起き、21人が死亡。これを受けてISとアブサヤフの掃討作戦が再開された。フィリピンはキリスト教徒が国民の多数派を占めている。

 フィリピンには多数の武装勢力が存在し、その中にはイスラム国家樹立を目指し、フィリピン南部で数十年前から続いている反政府武力闘争とつながっているものもある。アブサヤフは、ISに忠誠を誓う何年も前からフィリピンで活動。身代金目的の誘拐で武力闘争の資金を賄っているが、人質の殺害もいとわない集団だ。(c)AFP