【6月29日 AFP】女子サッカーW杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)は28日、準々決勝が行われ、前回女王の米国が2-1でフランスを破り、開催国の夢を打ち砕いた。

 試合開始5分に米国は、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)が左サイドから放ったFKがペナルティーエリア内の人垣を抜けてそのままネットを揺らし、パルク・デ・プランス(Parc des Princes)の観客をあぜんとさせた。

 フランスのプレッシャーにさらされながらも米国は65分、トビン・ヒース(Tobin Heath)のクロスボールが流れたところに再びラピノーが詰めて追加点を挙げたが、80分にウェンディ・ルナール(Wendie Renard)に1点を返され、終盤は緊迫した展開となった。

 それでも8大会で通算4度目の優勝を目指す米国は持ちこたえ、来月2日にリヨン(Lyon)で行われるイングランドとの準決勝に駒を進めた。

 ピッチ外ではホワイトハウス(White House)への表敬訪問を拒否して、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領から痛烈な批判を受けているピンク色に髪を染めたラピノーは、ピッチ上では見事な活躍を見せており、決勝トーナメント初戦のスペイン戦での2得点に続いてゴールを決め、大会での得点数を5に伸ばした。

 ラピノーは試合後、「パルク・デ・プランスで開催国を倒せるのは特別なこと。これ以上は望めない」と語った。

 一方のフランスは、多くの悔いを残して自国開催の大会を去ることになった。今大会を迎えるまでの2年間でフランスは唯一米国を破ったチームだったが、観客が期待を寄せる中で本来の実力を発揮することができなかった。

 フランスのコリンヌ・ディアクル(Corinne Diacre)監督は母国での優勝を目標に掲げていたが、昨年12月に行われた大会の組み合わせ抽選会で、世界1位の米国との準々決勝での対戦が確定的となった瞬間から、それは難しい注文となっていた。

 指揮官は「サッカーの面では敗北感があるし、それを隠し立てはできない。目標達成には遠く及ばなかった」「今夜、あるいは大会の開幕以降、少なくとも国民のハートを射止めることができたことを願っている」と語った。(c)AFP