【6月29日 AFP】(更新、写真追加)20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席のため大阪市を訪れているドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は29日朝、G20首脳会議後に韓国のソウルを訪問する際に、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長と会う用意があると明らかにした。

【関連記事】米朝首脳のそっくりさん、大阪のステージで共演 G20開幕前夜

 トランプ大統領はツイッター(Twitter)に、習近平(Xi Jinping)中国国家主席、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)韓国大統領の名前を挙げつつ、「中国の習国家主席との会談など幾つかの非常に重要な会談の後、私は(文大統領と共に)日本を出発して韓国に向かう。そこでは、もし北朝鮮の金委員長がこれを見ているならば、私はちょっと握手してあいさつするために彼と境界線/DMZで会うだろう(?)!」と書き込んだ。

 トランプ氏はその後記者団に、「けさ思い付いたばかりだ」と語った。今年2月にベトナムの首都ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談は合意なく物別れに終わったが、最近になってにわかに北朝鮮の核開発計画をめぐる外交が活発になっていた。マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官が28日夜、G20の夕食会を理由も告げずに欠席したことで、何かが起きているとの臆測が飛び交っていた。

 トランプ氏は、「いずれ分かる。彼が来れば、2分間は会えるだろう」「探りを入れてみただけだ。なにしろ彼が今どこにいるかも分からないから。北朝鮮国内にいない可能性さえある」「われわれはうまく付き合っていけると思う。それは悪いことでなく良いことだ」と述べた。

 これまでのところ、北朝鮮側からの反応はない。

 韓国に亡命した脱北者で、著名な北朝鮮専門家の安燦一(アン・チャンイル、An Chan-Il)氏は、「北朝鮮の一般市民はツイッターを禁止されているが、金正恩氏ら指導部の人々はツイッターなどのソーシャルメディアにアクセスできるはずだ」と指摘。ソーシャルメディアを定期的に監視する独立した組織が存在すると述べた。

 韓国大統領府(青瓦台、Blue House)は、現段階では何も確認できていないとした上で、「米朝対話を望むわが国の立場は変わらない」と述べた。(c)AFP/Richard CARTER, Jerome CARTILLIER