【7月18日 CNS】中国・山西省(Shanxi)太原市(Taiyuan)で6月下旬、同省呂梁市(Lvliang)嵐県(Lan)に住む楊拴明(Yang Quanming)さん(57)が15時間20分をかけ、長さ814メートル、幅1メートルの宣紙に毛筆を使って一筆書きの「空心文字(注:中抜き文字)」、計1350ページを書き上げ、「世界最大の折り本」のギネス記録(Guinness World Records)を達成した。

「空心文字」は別名を「双鈎(Shuanggou)」書法と呼び、中国の漢字の独特な書き方の一種。今回の挑戦の中で、楊さんが書いた内容は「毛沢東詩詞」の中の61編の作品を含み、文字数は計4314字だった。事前の予想では、完成までに15時間から18時間かかるとされていたが、実際には、午前5時30分の開始から15時間20分で完成させた。

 最も難しかったのは、完ぺきな作品の創作のため、814.269平方メートルの宣紙の上で数千文字を一筆書きでつなぎ、一気に完成させなければならない点だ。挑戦者が高いレベルの書道の技術を持つこと以外に、優れた空間に対する感覚と、造形能力が求められる。57歳の楊さんにとっては、体力と気力の維持も大きな懸念点だった。

 楊さんは、初めから最後まで特製の「墨汁注射型毛筆」を使った。助手が横から絶えず針付きの管を使い、墨汁を楊さんの特性毛筆に注入し、墨汁切れによる中断を防いだ。執筆の途中で、機能ドリンクやフルーツ、嵐県特産の焼きジャガイモなど若干のエネルギーの補給をし、執筆が途切れないようにした。

 今回の作品は、山西省体育博物館に寄贈されて永久所蔵されるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News