【7月1日 AFP】中国人学者らによる米国への査証(ビザ)申請が、中国政府の諜報(ちょうほう)活動との関連を懸念し監視を強化する米当局によって、却下される事例が増加している。こうした事態が、長年の米中の共同研究に暗い影を落としていると、研究者らが警鐘を鳴らしている。

 学術論文データベースのネイチャー・インデックス(Nature Index)が昨年実施した調査によると、米中の科学者は何千という研究論文を毎年、共同執筆している。2か国の科学者らによる共同論文としては、他に追随を許さない数だ。

 だが何人かの研究者がAFPに語ったところによると、米国側の機関は海外からの研究資金受け入れに関する規則を厳格化し、また外国の研究パートナーに対する審査を強化しており、このため共同プロジェクトの実施や相互評価のためのデータ共有が困難になってきている。

 こうした圧力は、米政府が学術的な接触を通じた諜報活動・技術窃盗と称するものに対し、締め付けを強めている結果だ。ホワイトハウスは昨年、米国で研究や仕事に従事する中国人は「中国政府の軍事的・戦略的野望に奉仕する」よう操られたり強制されたりする恐れがあると警告を発した。