【6月28日 Xinhua News】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は27日、大阪で日本の安倍晋三首相と会見した。会見終了後、中国外交部の呉江浩(Wu Jianghao)アジア司長は記者に関連状況を紹介し、次のように表明した。現在、中日関係の全体的な勢いは良好だが、双方には意見の相違もある。両国の指導者は、双方が共通認識に焦点を合わせ、意見の相違を管理・コントロールし、両国関係の健全な発展を共に推進すべきだとの認識で一致した。

 呉司長は双方の指導者が達成した10の共通認識を詳しく紹介した。

 1、両国指導者は現在の中日関係の改善・発展の良好な勢いを前向きに評価する。現在、世界は百年ぶりの大きな変化に直面している。双方は、中日は共に発展の新時代に入り、双方の共通の利益と共通の関心事がますます増え、両国関係が新たな発展のチャンスに直面していると確認した。双方は共に新時代の要求に合致する中日関係の構築に尽力しなければならない。

 2、両国指導者は次のようにあらためて表明した。中日間の四つの政治文書で確立された諸原則を厳守し、中日が互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とならないという政治的共通認識を実行に移し、競争を協調に変える精神に従い、中日関係を正しい軌道に沿って引き続き前進、発展させる。

 3、両国指導者は緊密な意思疎通を続け、ハイレベルのリードを強化し、政治面の相互信頼を絶えず増進することで合意した。安倍首相は日本政府を代表し、習近平主席が来年春に日本を国賓として訪問するよう要請し、習主席は原則的に受け入れた。両国指導者はそれぞれの外交機関に対し具体的時期について意思疎通を続けるよう指示した。

 4、両国指導者は両国の利益融合を一段と深め、技術革新(イノベーション)、知的財産権保護、経済貿易・投資、財政・金融、医療ケア、高齢者介護、省エネ・環境保護、観光など幅広い分野の互恵協力を強化することで合意した。日本は「一帯一路」構想について、多様な地域を結びつける潜在力豊かな構想であると確認した。中国は日本が質の高い「一帯一路」共同建設に積極的に参加することを歓迎する。双方は第三国市場協力が着実な成果を収めるよう引き続き促す。双方は両国企業が相互投資を拡大することを支持し、相手方の企業に公平で差別のない、予測可能なビジネス環境を提供することを確認した。

 5、両国指導者は次のように強調した。中日は共にアジア文明発展の重要な貢献者で、アジア文明の成果を伝え、発揚し、異なる文明の間の対等な対話、交流・相互参照を提唱しなければならない。深く厚い歴史文化の根源を紐帯とし、人文(人的・文化)分野の交流・協力を持続的に強化しなければならない。両国指導者は中日ハイレベル人文交流協議メカニズムの年内始動を決定した。

 6、両国指導者は中日の民間友好交流を積極的に進め、相互理解を増進し、民心の通い合いを促進することで合意した。双方は今年の「中日青少年交流促進年」を契機とし、修学旅行など内容が豊富で、形式が多様な相互訪問交流活動を積極的に進め、友好の種を幅広くまかなければならない。

 7、両国指導者は、中日は平和的発展の道を断固歩み、平和的発展のパートナーになるとあらためて表明した。双方は安全保障分野の交流・協力を強化し、二国間の建設的な安全保障関係の構築を積極的に推進し、安定した戦略的互恵・相互信頼を徐々に確立しなければならない。両国指導者は双方が外交・安全保障分野の対話を一段と強化することで合意した。

 8、両国指導者は敏感な問題を適切に処理し、矛盾と意見の相違を建設的にコントロールすることで合意した。双方は東中国海問題の原則的共通認識の実行を引き続き推進し、東中国海の平和・安定維持に共に努力し、東中国海を平和、協力、友好の海にする目標を実現する。

 9、両国指導者は次のように確認した。中日は共にアジアの重要な国、世界の主要経済国であり、多国間主義と自由貿易体制を共に守り、地域統合を積極的にリードし、開放型世界経済の構築を推進し、各国の共同発展を促進なければならない。双方は世界経済の安定的発展促進、グローバルガバナンス体系構築の推進における20カ国・地域グループ(G20)の重要な役割を生かし、中日韓自由貿易協定(FTA)交渉プロセスを加速し、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の年内妥結を目指すことで合意した。

 10、両国指導者は次のように確認した。中日は国際的責任を積極的に果たし、世界のさまざまな挑戦に共同で対応し、発展援助、気候変動、軍備管理・軍縮、衛生保健など国際的問題の中で意思疎通と協調を強化し、手を携えて世界の平和、安定、発展のため積極的に貢献しなければならない。(c)Xinhua News/AFPBB News