現在、世界的に問題になっている食料問題と飢餓だが、発展途上国だけの問題だと考えてはいないだろうか。実際に先進国でも貧富の格差に伴い、飢餓の拡大が年々進行しているというデータがある。例えば我が国日本でも、持続的でなくとも飢えを経験したことがある国民は少なくないようだ。この写真はフランスのスーパーマーケットのごみ箱から廃棄された食品を収集している団体を映したものだ。この団体は廃棄処分された食品を深夜に集め、フリーマーケットにて無料で配布する、という慈善活動をしている。これは一般国民でも始めることができる飢餓への取り組みであり、身近な食品ロス問題を訴えている。確かに、発展途上国の飢餓問題を解消することは非常に難しいだろう。しかし発展途上国が身近な食品問題を少しずつ解消していき、意識を高めていくことで世界的な飢餓を解消する第一歩になりえるのではないだろうか。(ペンネーム:M.K)

[東京電機大学]

[講評] 加来賢一(AFPWAAディレクター)
今回のテーマ「 飢餓をゼロに」では、発展途上国における「飢えた子供たち」の現状についてレポートした作品が多く見受けられました。しかし、この作品は、先進国における食品ロス問題について冷静に論考しています。
フランスの反食品ロス活動について取材した写真から、わたしたちが普通に暮らしている日本でまず最初に出来る事について、考察してゆく点を高く評価しました。
「世界的な問題への第一歩」という気負わないタイトルのつけかたも謙虚で俊英だと思います。