【6月27日 AFP】フランス南東部グルノーブル(Grenoble)で、イスラム教徒(ムスリム)の女性向けの水着「ブルキニ」をめぐる騒動が発生し、熱波に見舞われているにもかかわらず、公営プール2か所が閉鎖される事態となった。市長が26日、明らかにした。

 グルノーブルの公営プールでは、ブルキニの着用が禁止されている。それにもかかわらず今月23日と先月、頭部まで覆うスイムスーツのようなブルキニを着たムスリム女性らが人権活動家らと共に公営プールを訪れ、ブルキニの着用禁止は差別だと訴え、泳ぐ権利を主張した。

 市役所によると、プールの監視員らが「(ブルキニ論争によって生じた)群衆を気にかけねばならず、安全を保つために駐在しているにもかかわらず、務めを果たすことができない」と訴え、プールの閉鎖を求めたという。

 世俗主義を厳格な法律で規定するフランスでは、ブルキニをめぐる騒動が繰り返し起きている。多くの人はブルキニについて、女性を隷属させるものと認識している。

 欧州で最もイスラム教徒の多いフランスは2011年、顔をすべて覆うベールについて、欧州で初めて公の場での着用を禁止した。

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