【6月27日 AFP】(更新、写真追加)オーストラリア外務省は27日、自国籍の男性が「北朝鮮で拘束されているとの報告がある」とし、「緊急に確認を求めている」と明らかにした。同省は、この男性の家族と連絡を取り合っていると説明している。

 韓国語メディアは男性の名前を「アレック・シグリー(Alek Sigley)」さんと報じている。シグリーさんは金日成総合大学(Kim Il Sung University)の数少ない西側出身の学生として、朝鮮文学を研究。ほかにも、北朝鮮観光を専門とする旅行会社を経営し、韓国のニュースサイト「NKニュース(NK News)」をはじめとするメディアに、平壌の食生活などに関する記事を寄稿している。

 シグリーさんのソーシャルメディアへの投稿は、3日前が最後。

 オーストラリアは平壌に大使館や領事館を置いておらず、北朝鮮における利益代表はスウェーデン大使館が担っている。また、豪政府は国民に対し、北朝鮮への不要不急の渡航を控えるよう勧告している。

 シグリーさんの家族の発表によると、現時点ではシグリーさんが拘束されたかどうかの確認は取れておらず、「現状は、アレックが豪時間の25日朝から友人や家族とインターネットを介しての連絡を取っていないということで、アレックにしては珍しい」としている。

 シグリーさんは昨年日本人女性と結婚し、平壌で挙式している。

 シグリーさんは平壌の日常生活についてブログや記事を多数執筆してきた。食生活や北朝鮮のアプリのレビューといった幅広い事柄について記す一方、デリケートな政治問題には触れていなかった。

 友人のクリスピン・ロバリ(Crispin Rovere)さんはシグリーさんについて、「この世で一番感じの良い人」と呼び、「とにかく北朝鮮の文化を世界と共有し、人と人とのつながりを深めたい一心だった」と述べた。(c)AFP