【6月26日 AFP】韓国とサウジアラビアは26日、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)の初訪韓に合わせ、83億ドル(約9000億円)規模の経済協力協定に調印した。

 天然資源の乏しい韓国にとって、サウジアラビアは最大の石油供給国。今回の協定のうち60億ドル(約6500億円)分は、サウジ国営石油会社サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)と、同社が株式の過半数を所有している韓国石油精製第3位のSオイル(S-Oil)の共同事業として、精油所などの施設を韓国内に建設する計画に振り分けられる。

 この他にもアラムコと、韓国石油公社(Korea National Oil Corporation)や現代重工業(Hyundai Heavy Industries)、現代(ヒュンダイ)自動車(Hyundai Motor)など複数の韓国企業との共同事業が含まれている。

 サウジアラビアは体制批判派のジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害された事件をめぐり、国際社会、特に欧米諸国から批判を浴びている。

 そうした中、サウジはアジア方面に目を向けようとしており、実質的な指導者であるサルマン皇太子は、今年2月にパキスタン、インド、中国を歴訪。今週大阪で開催される20か国・地域(G20)首脳会議にも出席する。これはサウジのアジアにおける「ほほ笑み外交」の一環とみられている。(c)AFP