【6月26日 AFP】オランダ北部フレボラント(Flevoland)州の保健当局は25日、信心深いプロテスタントの住民が多い同州の漁村ウルク(Urk)で麻疹(はしか)の流行が発生し、対応に当たっていると明らかにした。ウルクは、オランダ国内で麻疹の予防接種率が最も低い場所の一つだという。

 同州の保健当局は、ウルクでこれまでに子供9人と大人1人が麻疹と診断されたため状況を注視しており、感染者と接触した人たちにワクチン接種や抗体の投与が必要かどうか検討していると明らかにした。また、「ウルクでは2013年およびそれ以前にも麻疹がたびたび発生していた」ため「多くの住民はこの病気にかかったことがあり、免疫ができている」と説明した。

 オランダ国立公衆衛生環境研究所(National Institute for Public Health and the Environment)によると、ウルクの麻疹の予防接種率はわずか61.1%で、全国平均が92.9%のオランダでは最低レベル。

 ウルクは、南西部ゼーラント(Zeeland)州から北西に延びる、保守的なプロテスタントのコミュニティーが多い「バイブル・ベルト(Bible Belt)」と呼ばれる一帯の中でも特に信心深い人が多い村だと見なされている。

 オランダ中央統計局(CBS)によると、定期的に教会に通うのは全国平均で6人に1人(約16.7%)だが、ウルクでは94%に上る。

 現地紙テレグラフ(De Telegraaf)によると、ウルクには、人間の生死は神に委ねられていると信じているため予防接種は許されないと考える人が多いという。(c)AFP