【6月25日 AFP】欧州全土は24日、6月として異例の猛暑に見舞われた。今週はさらに高温が予想されることから、各地の当局は警戒を呼び掛けている。

 気象学者たちによると、この例年より早い熱波の到来は、サハラ(Sahara)砂漠から吹き込む熱風によって起きている。週後半にはさらに高温が予想され、欧州の広い範囲で気温が40度まで上がる可能性もある。各国政府は、特に子どもや高齢者の脱水症や熱中症への警戒を呼び掛け、医療機関は多数の患者を見込み厳戒態勢で備えている。

 特に27日から28日にかけて酷暑が予想されているフランスでは、アニエス・ビュザン(Agnes Buzyn)保健相が記者会見で屋外での活動を控えるよう呼び掛けた他、ジャンミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)国民教育相も両日に予定されていた全国共通テストの延期を発表した。

 週末の予報を受け、フランス各地では扇風機が飛ぶように売れ、涼を求める人々が噴水に集まっている。ただし、最も厳しい暑さは来週の前半までにはやわらぐ見込みだという。

 またスペイン気象庁(AEMET)は、同国北東部のエブロ(Ebro)渓谷で42度を超える高温が予測されるとし、またアラゴン(Aragon)州、ナバラ(Navarre)州、エストレマドゥラ(Extremadura)州などの地域で山火事が発生する「極めて高いリスク」があると警告している。

 一方、ドイツの気象予報士らは、気温を下げる嵐の予報もないため、1947年にフランクフルトで観測された38.2度という同国の6月最高気温の記録が破られる見通しだと述べている。(c)AFP/Joseph Schmid