【6月25日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は23日、火星無人探査車「キュリオシティー(Curiosity)」が先週、火星で高濃度のメタンを検出したと発表した。キュリオシティーによるこれまでの観測で最も高い濃度だという。

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 メタンは微生物の存在を示している可能性があるため非常に刺激的な発見だが、一方でメタンは岩石と水の反応でも生成されることがある。

 キュリオシティーに搭載されている火星サンプル分析装置(Sample Analysis at MarsSAM)は、体積濃度21ppbV(1ppbVは体積比10億分の1)のメタンを検出した。

 米メリーランド州にあるNASAのゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center)のポール・マハフィ(Paul Mahaffy)氏は「この測定では、このメタンが生物由来なのか地質学的なものなのか、あるいは古代のものなのか現在のものなのかも分からない」と述べた。

 2012年にキュリオシティーが火星の地表に着陸して以来、メタンは何度も検出されている。メタンの由来に関して有力な一つの説は、古代の生命体によって生じ地下にたまったメタンが放出されているとする説だ。

 研究者らは今回検出した最高レベルのメタンについてさらに情報を収集するために先週末、新たな実験を計画した。また欧州宇宙機関(ESA)の無人周回機トレース・ガス・オービター(TGO)など他の研究チームとの協力にも時間が必要だとしている。(c)AFP