■アイルランド

 アポロ11号が持ち帰った石は、アイルランド首都ダブリンのダンシンク天文台(Dunsink Observatory)に展示されていたが、1977年に火災が発生し、がれきと共に同国フィングラス(Finglas)の埋め立て地に送られてしまった。

■リビア

 アポロ11号と17号が持ち帰った石は、当時の最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐に渡された。現在の所在は分からないという。

■マルタ

 博物館に飾られていたアポロ17号の石は2004年5月に盗まれた。石は今も見つかっていない。

■ニカラグア

 アポロ17号が持ち帰った石は、中東地域の人物に500万~1000万ドル(約5億4000万~10億850万円)で売却されたと考えられている。

 一方、アポロ11号の石は、米ラスベガス(Las Vegas)のカジノ王ボブ・ストゥパック(Bob Stupak)氏の手に渡り、同氏が経営するムーンロックカフェに一時期飾られていた。ストゥパック氏の死去後、月の石はNASAを通じてニカラグアに返還された。

■ルーマニア

 ルーマニアでは、首都ブカレストの博物館にアポロ11号が持ち帰った石が展示されている。

 17号の石は、独裁者ニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)元大統領が持っていたが、1989年のクリスマスの日にエレナ夫人と共に処刑された後、遺産管理人によって売却されたと考えられている。

■スペイン

 スペインのアポロ17号の石はマドリードの海事博物館に展示されている。ルイス・カレーロ・ブランコ(Luis Carrero Blanco)将軍が1973年にバスク地方の分離独立を求める非合法組織「バスク祖国と自由(ETA)」により暗殺された後、遺族が同博物館に寄付した。

 一方、アポロ11号の石は行方が分からなくなったままだ。ただ、長期独裁を敷いたフランシスコ・フランコ(Francisco Franco)元総統の遺族が所有しているとの見方が濃厚だという。(c)AFP/ Chris Lefkow