【7月13日 AFP】アポロ11号(Apollo 11)とアポロ17号(Apollo 17)が持ち帰った月の石は、米国のリチャード・ニクソン(Richard Nixon)大統領(当時)によって、世界135か国と米国の50州に善意のしるしとして贈られた。

 これらの石のいくつかは、今でも博物館や科学研究所などにしっかりと置かれているが、その一方で、行方が分からなくなったり、盗まれたりした石も数多くあり、中には、破壊されてしまったものもあるという。

 米航空宇宙局(NASA)の元特別捜査官で「ムーンロックハンター」の異名を持つジョセフ・ガットヘインズ・Jr(Joseph Gutheinz Jr)氏と、同氏が教える学生らによる調査、そして宇宙の歴史に特化したウェブサイト「collectSPACE」の情報に基づき、各国に贈られた月の石の行方を以下にまとめた。

■アフガニスタン

 紛争状態が続くアフガニスタンでは、アポロ11号およびアポロ17号が持ち帰った石の所在は不明。

■キプロス

 1974年のトルコ軍侵攻とそれに続く米大使の殺害で、贈られる予定となっていた月の石がキプロスに届くことはなかった。

■ホンジュラス

 ホンジュラスに贈られた石は、同国の陸軍当局者によって米フロリダ州のビジネスマンに5万ドル(約540万円)で一度売却されているが、その後、ガットヘインズ氏と米郵政公社(US Postal Service)のボブ・クレッガー(Bob Cregger)氏によるおとり作戦「Operation Lunar Eclipse(月食作戦)」によって取り戻され、1998年にホンジュラスに返された。

 フロリダ州の男は、ガットヘインズ氏に石を売ろうと試みたところを逮捕されている。この石はアポロ17号が持ち帰ったものだった。