【6月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の発足時に閣僚候補として名前の挙がった人々の身上調査で、1人がロシアとの関係を、別の1人が白人至上主義団体とつながっている疑いを警告されていたことが23日、米ニュースサイト「アクシオス(Axios)」に掲載された流出文書から明らかになった。このほか、複数の候補者がトランプ氏に批判的だとの指摘を受けていたという。

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 公開された文書に登場する候補者のうち何人かは、実際に2017年1月に発足した政権で閣僚に任命されており、トランプ政権はこの時点で、閣僚たちに付きまとう不適切な関係性をめぐる疑惑の存在を十分に認識していたことになる。彼らの多くはその後、辞任するか解任されている。

 アクシオスは文書の全文を公開してはいないが、ホワイトハウス(White House)の高官を対象とした標準的な「政治家の身上調査書」だと説明している。

 米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)の最高経営責任者(CEO)だったレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)氏は、身上調査でロシアと「深い」関係にあると指摘されたにもかかわらず、国務長官に就任。昨年、トランプ氏に解任された。

 環境保護局(EPA)長官に就任した元オクラホマ州司法長官のスコット・プルイット(Scott Pruitt)氏については、「エネルギー大手各社との親密な関係をめぐる疑惑」を政権側がはっきり認識していた。だが、それでもトランプ氏はプルイット氏を任命。同氏は、倫理上の複数のスキャンダルが発覚し、昨年7月に辞任した。

 国務長官候補だったルドルフ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)元ニューヨーク市長をめぐっては、「外国との掛かり合い」に関する報告が25ページに及んだ。ジュリアーニ氏は国務長官に任命されなかったが、現在トランプ氏の顧問弁護士を務めている。

 国土安全保障省長官の候補として名前の挙がったクリス・コバチ(Kris Kobach)前カンザス州務長官は、政敵が指摘する「白人至上主義」疑惑が弱点とされた。トランプ氏は長官任命を見送った一方、後に大統領選での不正投票疑惑の調査をコバチ氏に任せている。

 また、自分に批判的な人々に反撃することで知られるトランプ氏が、同氏を批判した人物を閣僚に任命していたことも分かった。ミック・マルバニー(Mick Mulvaney)氏はかつてトランプ氏を「あまり良い人物ではない」と評していたが、ホワイトハウスで大統領首席補佐官代行という要職に就いている。(c)AFP