【6月24日 AFP】チェコの首都プラハ中心部で23日、汚職疑惑の渦中にあるアンドレイ・バビシュ(Andrej Babis)首相(64)の退陣を求める大規模なデモが行われた。主催者と地元メディアによると約25万人が集まり、1989年の共産政権崩壊後では最大規模となった。

 富豪のバビシュ氏は昨年、200万ユーロ(約2億4000万円)の欧州連合(EU)の補助金不正受給に関与した疑いが浮上。欧州委員会(European Commission)の監査で、政治家であると同時に実業家でもあるバビシュ氏は利益相反だと指摘された。

 チェコ政府は今月に入って欧州委員会の監査には「誤り」があったと断言し、バビシュ氏も利益相反はないという態度を変えていない。

 デモを組織した非政府組織(NGO)の代表によると、航空写真から推定されるデモ参加者数は約25万人。警察はAFPにデモ参加者の推定人数は「内部使用」のため公表しないとしたが、携帯電話大手のTモバイル(T-Mobile)は参加者数を25万8000人以上と推定している。

 スロバキア出身のバビシュ氏は、自身が経営する持ち株会社アグロフェルト(Agrofert)に農場を手放させて、同社が不正にEU補助金を受給できるようにした疑惑が持たれている。

 EUはバビシュ氏の調査を進めている。バビシュ氏は共産政権下の1980年代に警察の秘密工作員だったという疑惑も持たれている。(c)AFP/Jan FLEMR