【6月22日 AFP】男子テニスで史上最多記録となる四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は21日、女子テニスのスター選手である大坂なおみ(Naomi Osaka)が一連の不調からいずれはい上がり、世界1位とグランドスラム2勝の女王として輝きを放つと強調した。

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 21歳の大坂は、1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)でグランドスラム2連勝を記録したものの、それ以来ツアーで4強入りを果たしたのは一度しかない。トップシードとして臨んだローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で3回戦敗退に終わった際には、負けたことが自分にとって「最善のことだった」と話していた。

 英バーミンガム(Birmingham)で開催されているネーチャーバレー・クラシック(Nature Valley Classic 2019)でも、大坂は20日の2回戦でユリア・プチンツェワ(Yulia Putintseva、カザフスタン)にストレート負けを喫したが、フェデラーは今回の敗戦に関しても何の心配もないという認識を示した。

 独ハレ(Halle)で行われているノベンティ・オープン(NOVENTI OPEN 2019)の準々決勝で、スペインのロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut)を下して4強入りを果たしたフェデラーは、「負けた理由を説明する必要なんて何もない、それはよくあることだ」とすると、自身も2003年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で初めてグランドスラムのタイトルを手にした後、同じ状況に陥ったと明かした。

「あのあと自分もことごとく勝てなくなった」「何も失うものがない状況から一変する。今は相手が自分を倒して勝つことに誰もが驚くという状況だ」「グランドスラムで2度勝ち、世界1位になっても、結局のところ人としては同じだ。負けを受け入れ、それを振り払い、状況に慣れていくしかない」

 フェデラーはまた、女子テニスの頂点に立った重圧と折り合いをつけて、再び優勝を重ねられるようになると大坂を擁護し、「彼女はグランドスラム2連勝という幸先の良いスタートを切った。それをやり遂げたのだから、もう一度できると分かっているはず」「彼女は本当によくやっている。毎週のように勝てるわけがない。それは誰にも不可能だ」と語った。(c)AFP