【6月21日 AFP】香港では21日、朝から行政府の本部庁舎前に多数の市民が続々と集結し、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回と、親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官の辞任を求める抗議の座り込みを行っている。立法会(議会)前の幹線道路は、黒服のデモ隊によって封鎖された。

 数百万人が参加したとされる先日の抗議デモが突き付けた要求に対し、行政府側の対応は不十分だと人々は受け止めており、目立った指導者のいない改正案反対運動は、今や林鄭氏の行政そのものへの広範な抗議運動に発展している。

 本部庁舎周辺には午前7時(日本時間同8時)ごろから、一連のデモのシンボルカラーとなった黒い服を着た人たちが集まり始めた。立法会前で「ピクニック」をやろうとの呼び掛けに応じた市民らだ。呼び掛け人らは、一般車両や公共交通機関の徐行運転や、市内各地での集会など、さまざまな抗議行動を展開するよう訴えている。

 デモ隊の中には、警官隊に発砲しないよう呼び掛けるプラカードを手にした人の姿も見られる。商業地区を通る幹線道路のハーコート通り(Harcourt Road)は、黒服のデモ隊で埋め尽くされ、封鎖された。

 デモ隊は林鄭長官の辞任と改正案の完全撤回に加え、治安部隊との衝突のさなかに拘束されたデモ参加者の解放や、警察による暴力行為疑惑に関する調査も求めている。21日撮影。(c)AFP